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地理部 地形模型展示・解説

地理部 2022-09-19

地形模型とは

地理部は週2回の通常活動で地形模型の製作を行っています。この模型は毎年作っており、次の合宿の行き先地を製作することになっています。
今年度は夏合宿で訪れた山口県の模型を展示しています。

山口県地形模型

製作方法

  1. まず、国土地理院から発行されている地形図をコピーし、等高線(計曲線)ごとに切っていきます。このとき、標高が高いところから切っていきます。
  2. 次に、①で切った地形図をスチレンボード(発泡スチロールの板)に貼り、スチレンカッターといわれる専用の電熱線で切っていきます。
  3. 1.と2.を繰り返し、模型を重ねたら完成です!

模型解説

今年度の模型は山口県の西部です。下関、宇部、美祢(秋吉台)、山口、萩などが含まれてます。

下関

まずは下関。合宿では1日目に訪れました。
赤いピンは、1日目に訪れた下関と門司港を表しています。下関は海峡となっていて、両岸に小さな山があることがわかります。

下関

宇部

宇部

宇部周辺では、2日目に常盤・床波周辺を、3日目にUBE(旧宇部興産)を見学しました。
宇部周辺は、埋め立てられた場所も多く、そこにUBEをはじめとした工場が並んでいます。この地図にある宇部港や山口宇部空港は、これらの工場のために造られたといわれています。工業が町の中心となっています。

UBEは、工場がある宇部と石灰の採掘場がある美祢(秋吉台周辺)を結ぶ専用道路を持っており、これも地図から確認することができます。

山口・新山口

山口・新山口

緑のピンは新山口駅を示しています。その奥にある平地部分に山口市の中心部があります。山口市の中心部は周囲を山に囲まれており、これは長州藩の別邸がここにあったことに由来します。山に囲まれていることで守りやすいことからここに位置していました。このような地形が理由で発展した都市はほかにも多くあり、鎌倉などもその一例です。
また、新幹線を山口市中心部に通すことができないために、新幹線停車駅である新山口駅を別の場所に造りました。ちなみに、新山口駅はもともと小郡駅という名前であったのですが、新幹線ののぞみを停車させる条件として、駅の知名度を上げる、ということがあったために新山口という名前に変わったそうです。新横浜や新大阪などのぞみ停車駅に“新”が付くのも似たような理由だそうです。

今回の合宿では残念ながら訪れることができませんでしたが、萩も模型の範囲に含んでいます。
萩は中心部を2つの川に挟まれています。実はこの萩の中心部があるところは三角州となっています。形は完全な三角ではないですが、川の土砂が堆積してできたれっきとした三角州です。

秋吉台

秋吉台

そして、今回のメインでもある秋吉台。数多くの鍾乳洞があります。これらの鍾乳洞は雨や河川によって、石灰岩が溶けたり、削れたりすることによって作られます。
また、地図をよく見ると、矢印がいくつかありますが、これらは凹地を示しているものです。カルスト地形における凹地は、小さいものからドリーネ、ウバーレ、ポリエと呼ばれています。秋吉台では主にドリーネとウバーレを見ることができます。
秋吉台の周りにはいくつか川が流れていますが、すべて周りよりも低い位置で流れています。これは河川が石灰岩質の大地を削っていることが原因です。

終わりに

上記のように、地形模型から様々な情報を得ることができます。皆さんも地理部で模型を作り、地理に対する見識を深めてみませんか?