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文化祭講演の模様

クラシック音楽部 2022-09-24

こんにちは、クラシック音楽部です。
クラシック音楽部、通称クラ音は、毎週月・水・土曜日に活動している、ピアノとヴァイオリンを弾ける人たちの集まりです(少し前まではチェロもいましたが)。
春、文化祭、冬の年に3回の演奏会に向けて、毎日ゆるーく練習しています。
今回は、文化祭での講演での模様の一部ををお伝えしたいと思います!

目次

  1. 文化祭講演

    1. 土曜日の午後の教室講演
    2. 日曜日の午後の講堂講演
  2. 曲紹介

    1. ホルスト「セントポール組曲 第1楽章『ジーグ』」(弦楽合奏)
    2. テレマン「4つのヴァイオリンのための協奏曲 第2番」(弦楽合奏)
    3. ショパン「ワルツ 第1番 変ホ長調『華麗なる大円舞曲』」(中1)
    4. モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲 第5番『トルコ風』第1楽章」(中1/伴奏:中1)
    5. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」(中1)
    6. グリーク「小妖精/パック」(中1)
    7. モーツァルト「ソナタ 第10番 ハ長調 第1楽章」(中1)
    8. ショパン「スケルツォ 第1番 ロ短調」(中2)
    9. ヴィターリ「シャコンヌ ト短調」(中2/伴奏:中2)
    10. ➀ドビュッシー「『2つのアラベスク』よりアラベスク 第1番 ホ長調」 ②ドビュッシー「『ベルガマスク組曲』より月の光」(中2)
    11. ➀ショパン「ノクターン 第2番 変ホ長調」 ②ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」(中2)
    12. ベートーヴェン「ピアノソナタ『田園』第15番 ニ長調 第2楽章」(中2)
    13. ショパン「ワルツ 第2番『華麗なる円舞曲』変イ長調」(中3)
    14. J.S.バッハ「イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第3楽章」(中3)
    15. モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 第1楽章」(高1/伴奏:中2)
    16. クライスラー「プレリュードとアレグロ」(高1/伴奏:中2)
    17. ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 第3楽章」(高2/伴奏:高2)
    18. ➀リスト「ラ・カンパネラ」 ②ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」 ③ラヴェル「『夜のガスパール』スカルボ 嬰ト短調」(高2)
    19. ➀ラフマニノフ「幻想的小品集 前奏曲『鐘』嬰ハ短調」 ②ラヴェル「ソナチネ 嬰へ短調」 ③ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」
  3. おわりに

文化祭講演

毎年文化祭では、土曜日の午前の講堂、午後の教室、日曜日の午前の教室、午後の講堂、の全4回の公演を行っています。今回はその中から土曜日の午後の教室と、日曜日の午後の講堂の2回の公演をみなさんにお届けしたいと思います。音の間違えなども多くありますが、クラ音部員一人一人の音楽を愛する気持ちを感じて、温かい目で見守っていただければ幸いです。
この投稿の一番最後には演奏している部員一人一人が書いたユニークな曲紹介があるので、是非それを読みながらお聞きください。(雑音が多く録音の精度が低いのはご容赦ください)

土曜日の午後の教室講演

  1. ホルスト「セントポール組曲 第1楽章『ジーグ』」(弦楽合奏)
  2. テレマン「4つのヴァイオリンのための協奏曲 第2番」(弦楽合奏)
  3. グリーク「小妖精/パック」(中1)
  4. ショパン「ワルツ 第1番 変ホ長調『華麗なる大円舞曲』」(中1)
  5. モーツァルト「ソナタ 第10番 ハ長調 第1楽章」(中1)
  6. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」(中1)
  7. モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲 第5番『トルコ風』第1楽章」(中1/伴奏:中1)
  8. ベートーヴェン「ピアノソナタ『田園』第15番 ニ長調 第2楽章」(中2)
    1. ドビュッシー「『2つのアラベスク』よりアラベスク 第1番 ホ長調」
    2. ドビュッシー「『ベルガマスク組曲』より月の光」(中2)
  9. ヴィターリ「シャコンヌ ト短調」(中2/伴奏:中2)
  10. ショパン「スケルツォ 第1番 ロ短調」(中2)
  11. ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 第3楽章」(高2/伴奏:高2)
    1. ショパン「ノクターン 第2番 変ホ長調」
    2. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」(中2)
  12. J.S.バッハ「イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第3楽章」(中3)
  13. モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 第1楽章」(高1/伴奏:中2)
  14. ショパン「ワルツ 第2番『華麗なる円舞曲』変イ長調」(中3)
  15. クライスラー「プレリュードとアレグロ」(高1/伴奏:中2)
    1. ラフマニノフ「幻想的小品集 前奏曲『鐘』嬰ハ短調」
    2. ラヴェル「ソナチネ 嬰へ短調」
    3. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」

日曜日の午後の講堂講演

  1. ホルスト「セントポール組曲 第1楽章『ジーグ』」(弦楽合奏)
    1. ショパン「ノクターン 第2番 変ホ長調」
    2. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」(中2)
  2. ドビュッシー「『ベルガマスク組曲』より月の光」
  3. ショパン「スケルツォ 第1番 ロ短調」(中2)
  4. ヴィターリ「シャコンヌ ト短調」(中2/伴奏:中2)
  5. ショパン「ワルツ 第2番『華麗なる円舞曲』変イ長調」(中3)
    1. リスト「ラ・カンパネラ」
    2. ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」
    3. ラヴェル「『夜のガスパール』スカルボ 嬰ト短調」(高2)
  6. ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 第3楽章」(高2/伴奏:高2)
    1. ラフマニノフ「幻想的小品集 前奏曲『鐘』嬰ハ短調」
    2. ラヴェル「ソナチネ 嬰へ短調」
    3. ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」
  7. テレマン「4つのヴァイオリンのための協奏曲 第2番」(弦楽合奏)

曲紹介

ホルスト「セントポール組曲 第1楽章『ジーグ』」(弦楽合奏)

グスターヴ・ホルストは、1874生まれのイギリスの作家です。彼が遺した作品の中でも最も有名なのが、組曲『惑星』でしょう。特に木星のパートには歌詞がつけられ、楽曲「Jupiter」として様々なアーティストにカバーされています。 そんな『惑星』に負けず劣らずの素晴らしい楽曲であるこのセントポール組曲ですが、1912年から1913年にかけて作曲された弦楽合奏のための組曲です。元の題名は『組曲ハ調』といい、セントポールという名前はホルストが音楽の教員として勤めていたセント・ポール女学校に感謝の意を表してつけられたと言われています。「ジーグ」「オスティナート」「インターメッツォ」「フィナーレ」の四部から成っており、今回演奏する第一曲「ジーグ」の名のもととなった「ジグ」は、8分の6拍子または8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民族的な舞踊形式の一つです。その名の通り、8分の6拍子と8分の9拍子を繰り返し、その中で、二つの旋律が混ざり合いながら進行し、終盤になるにつれてどんどん加速していき、一気に終わりを迎える、というとてもエネルギッシュな曲です。 今回はチェロ抜きでの演奏になりますが、この曲の陽気さを表現できるように頑張ります。

テレマン「4つのヴァイオリンのための協奏曲 第2番」(弦楽合奏)

テレマンは、後期バロック音楽を代表するドイツの作曲家です。多作家だった彼は、協奏曲というジャンルでもかなりの数の作品を遺しており、そのほとんどが緩‐急‐緩‐急の四楽章形式となっています。本曲も例に漏れず、高音が綺麗に重なり合うAdagio、元気に同じフレーズを繰り返していくAllegro、静かで美しくも力強さを感じるGrave、アップテンポで軽快なAllegroの四楽章構成です。 協奏曲と題されているものの、ヴァイオリン4本のみで通奏低音などの伴奏はないという特殊な編成となっています。テレマンはこの種の作品を少なくとも4曲作曲していると言われています。当然チェロやヴィオラによる伴奏は入らないので、4パートあるヴァイオリンがそれぞれ伴奏パートとメロディーパートを行き来します。 この曲では一部にカノン形式が取り入れられているため、主旋律の移り変わりが聴きどころだと思います。4本のヴァイオリンによる掛け合いをお楽しみください。

ショパン「ワルツ 第1番 変ホ長調『華麗なる大円舞曲』」(中1)

この曲は、ショパンが20代の頃に作曲した物です。僕はこの曲を半年前に知り、強い興味を抱きました。初めての演奏会なので少し緊張しますが、少しでも多くの人の心に残るような演奏ができると嬉しいです。 

モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲 第5番『トルコ風』第1楽章」(中1/伴奏:中1)

1775年モーツァルトの書いた曲で有名な曲.合奏でも個人曲でも弾かれる曲。

ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」(中1)

3部形式の曲。8小節の前奏後主旋律と第二旋律が出、繰り返された後美しい中間部に入る。繰り返され主旋律に入り、その後華々しいコーダに入る。

グリーク「小妖精/パック」(中1)

この曲は抒情小曲集に収録されている曲です。抒情小曲集は全体的に郷愁や憂鬱感が特徴である中、小妖精/パックはこの特徴と正反対の印象を持ちます。スタッカートの伴奏にのせて、軽快でおどけたような旋律の曲です。

モーツァルト「ソナタ 第10番 ハ長調 第1楽章」(中1)

典型的なモーツァルトの曲です。7分くらいでやや長いです。

ショパン「スケルツォ 第1番 ロ短調」(中2)

この曲は不協和音で始まり、繰り返される激しい曲調から怒りや悲しみを感じることができます。中間部では喜怒哀楽の「喜」、「楽」の感情が読み取れ、全体で喜怒哀楽が表現されているのが良く分かる曲です。

ヴィターリ「シャコンヌ ト短調」(中2/伴奏:中2)

イタリア後期バロックの作曲家であるヴィターリ(1663-1745)は、モデナのエステ家の宮廷楽団のコンサートマスターとして活躍し、トリオ•ソナタの歴史において先駆的な役割を果たした人物です。 ヴァイオリンの技巧を存分に駆使した多彩な変化に富んだ『シャコンヌ』は、彼の代表作です。 シャコンヌはバロック時代の重要な楽器形式だった変奏曲の一種で、元来メキシコからスペインに渡来した舞曲でしたが、イタリアやドイツで楽器形式と発展しました。ヴィターリ以外にも、バッハの作品も良く知られています。 この曲は、何度も同じような主題が続きますが、それぞれに色があり違いもあるので、それを表現できるように頑張ります。

➀ドビュッシー「『2つのアラベスク』よりアラベスク 第1番 ホ長調」 ②ドビュッシー「『ベルガマスク組曲』より月の光」(中2)

➀アラベスクとは、元々はアラビア風の唐草模様を指す言葉であり、転じてアラビア風の音楽のことを指すようになった。この曲は1890年頃、ドビュッシーによって作曲された。ホ長調、イ長調、ハ長調、ホ長調の順で転調する。ドビュッシーは印象主義に分類されることが多いが、ドビュッシー自身はそのように呼ばれることを嫌っていたようである。 
②ドビュッシーが1890年頃に作曲した曲で、ベルガマスク組曲に収録されている。ベルガマスク組曲は月の光を含め4曲あり、前奏曲、メヌエット、月の光、パスピエとなっている。当初ドビュッシーは「喜びの島」・「仮面」もベルガマスク組曲に入れようとしたが、出版社の都合でそれぞれ単独で出版された。

➀ショパン「ノクターン 第2番 変ホ長調」 ②ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」(中2)

➀ノクターン(夜想曲)とは、夜をしみじみと思う心を表現した楽曲のことで、この曲はショパンが作曲した21曲のノクターンのうち最も有名な曲です。この曲を作った時、ショパンは祖国を離れてひとりで暮らしていて、祖国にいる家族や友人を想って作ったと言われています。美しいメロディーと繊細な和音が魅力的です。 
②遺作として出版されたとても華麗なワルツです。テーマは技巧的な性格を全面に出し、跳ね回るような雰囲気です。中間部はホ長調に転調して「ドルチェ」で息の長いフレーズ感や左手の低音から上がってくる音形が特徴的です。 対照的な二曲を弾き分けられるように頑張ります。

ベートーヴェン「ピアノソナタ『田園』第15番 ニ長調 第2楽章」(中2)

全体的に穏やかで静かですが、時折リズミカルなメロディーが出てきて、力強さや溌溂さも感じる多面的な魅力を持った曲になっています。僕も弾けば弾くほどこの曲の世界に引き込まれていきました。ピアノとフォルテのコントラスト、クレッシェンドを効果的に用いているベートーヴェンの意図を忠実に反映させられるように一生懸命練習しました。ぜひ、この曲を楽しんで聴いてください。

ショパン「ワルツ 第2番『華麗なる円舞曲』変イ長調」(中3)

この曲は、フレデリック・ショパンが作曲したピアノ独奏曲集で、全3曲からなるワルツ集です。『華麗なるワルツ』と表記される場合もあります。 作品34-1はショパン初期の作品であり、華麗で演奏効果も高く、かつては1831年に作曲されたと考えられていたが、現在では第1曲が1835年に作曲されたと考えられています。 出版は1838年12月にライプツィヒのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社よりされ、ほぼ同時にパリのシュルザンジェ社から『3つの華麗なる円舞曲』として出版されました。 前曲の『華麗なる大円舞曲』が実用向きのワルツとして作曲されたのに対し、作品34の3曲においてようやく「舞踏詩」らしい性格が表れ始めているが、第1曲などはまだ実用向きの要素を含んでおり、同時代の作曲家であるロベルト・シューマンは「舞踏場で即興的に作られたもののように思われる」とコメントしています。 

J.S.バッハ「イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第3楽章」(中3)

第1楽章が有名なこの曲だが、第3楽章は非常にテンポがとても早く華やかな曲となっている。挑戦したいと思っていた曲なので精一杯弾きたい。

モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 第1楽章」(高1/伴奏:中2)

モーツァルトが作曲した3番目のヴァイオリン協奏曲であるこの曲は、モーツァルト19歳の時の作曲です。このヴァイオリン協奏曲第3番は、第2番を作曲してからたった3ヶ月後の作曲にもかかわらず、曲の完成度が第2番と比べてとても上がっている、とよく言われます。僕が今回演奏する第1楽章では、ヴァイオリンの響かせる優雅な旋律が最大の特徴となっています。ピアノ伴奏との連携に気を付けながら、その最大の特徴である優雅なメロディーを響かせることを意識して弾ききりたいと思っています。

クライスラー「プレリュードとアレグロ」(高1/伴奏:中2)

クライスラーはウィーン出身のユダヤ系にルーツを持つヴァイオリニスト・作曲家で1875年~1962年とかなり新しく来日もしている。 曲名である「プレリュードとアレグロ」のプレリュードとはサビの前の導入である前奏曲のことで、アレグロとはリズムの速いことである。この曲の「プレリュード」である前半は四分音符のみが続いている上、最初の6章ではミ(E)とシ(B)のみで構成されているという珍しいつくりになっていて重厚的な雰囲気を感じられる。このあと、歩くような速さでという意味のアンダンテ(Andante)を挟んでからプレリュードのメロディに戻り、曲名でもあるアレグロ(Allegro)へとつながる。このアレグロでは速く軽快なテンポと規則性のある和音がそれまでの曲調とは全く違った雰囲気を出している。この曲では一音づつ丁寧に弾き、曲の色合いをうまく出したい。

ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 第3楽章」(高2/伴奏:高2)

一昨年が没後100年だったブルッフは、ドイツ生まれの作曲者・指揮者です。ブラームスと同時代に活躍し、彼の遺した作品は多岐にわたります。その作品の特徴としては、美しい旋律と鋭く凛としたリズムをもつ点が挙げられます。それはブルッフの曲の中で最も有名だと言われるこの曲も例外ではなく、この第3楽章(Finale)では特徴的な重音のテーマが何度か登場したり、流れるような旋律が形を変えて表れたりと、ブルッフ特有の雰囲気が感じられます。 分散和音や重音の連続など、細かい技術を要し、音程も取りにくい曲です。昨年の春に演奏したこの曲の第1楽章との繋がりを感じつつ、自身の引退曲として納得のいく演奏にしたいと思います。

➀リスト「ラ・カンパネラ」 ②ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」 ③ラヴェル「『夜のガスパール』スカルボ 嬰ト短調」(高2)

➀この曲は僕が幼いころからいつか弾けるようになりたいと思ってきた曲です。ピアノの魔術師と呼ばれ、超絶技巧で知られるフランツ・リストによって作曲された「ラ・カンパネラ」、この曲の特徴は何といっても右手の跳躍です。僕もこの曲を練習しているときは音の跳躍に苦しみました。また一つのメロディーがどんどん変奏されながら繰り返されて、盛り上がっていき最後は大迫力な音楽で終わるのも特徴の1つです。題名にある「カンパネラ」とは「鐘」を意味するイタリア語でリストが超絶技巧を目指すきっかけになった、パガニーニのヴァイオリン協奏曲「ラ・カンパネラ」を主題としてこの曲が編曲されたそうです。皆様にその美しい鐘に響きを感じてもらえるように演奏したいと思います。
②この曲はドビュッシーが作曲した中で人気が非常に高い曲です。なので皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。色彩感を音で表現したといわれるドビュッシーによって作曲された。「亜麻色の髪の乙女」、この曲の特徴はドビュッシーならではの透き通るような音色です。またこの曲はドビュッシーが20歳だったころに作曲し当時の恋人であった女性ヴァ二エに贈った古い歌曲がもとになっていると言われています。皆様に美しい音色を届けられるように演奏したいと思います。
③この曲はラヴェルが作曲した「夜のガスパール」の中の一曲です。「スカルボ」とはいたずら好きの妖精のことです。この曲ではそのスカルボが部屋の中を目まぐるしく駆け回り、悪戯ばかりする様子がかなり特殊なテクニックを含む名人芸的な難技巧を盛り込まれて鮮やかに表現されています。あらゆるピアノ曲の中でも技術的に最も弾きにくい難曲と言われています。正直僕は「ラ・カンパネラ」より何倍も難しいと感じました。皆さんにスカルボの動き、この曲の独特な響きを感じてもらえるように演奏したいと思います。 クラ音部員として最後の演奏会、最高の曲で最高の演奏をして、悔いなく終われるように精一杯演奏します。よろしくお願いいたします。

➀ラフマニノフ「幻想的小品集 前奏曲『鐘』嬰ハ短調」 ②ラヴェル「ソナチネ 嬰へ短調」 ③ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調(遺作)」

➀この曲は、恩師アントン・アレンスキーに献呈された《幻想的小品集》の第2曲として出版されました。前奏曲とありますがこれは形式に縛られない自由な曲、というような意味で使われています。ロシア生まれのラフマニノフの初期の作品ですが、当時の帝政ロシアの時代では版権を得ることができずほとんど儲かりませんでした。しかしのちに売れ、晩年には演奏会の度に演奏をお願いされるほどの代表曲となりました。 冒頭は低音部で寒いロシアに静かにゴーンゴーンとなる鐘が、中間部では流れるような鐘となり、その後荘厳な鐘が鳴り響きます。そしてだんだんと鐘が消え行くようにデクレッシェンドして曲が終わります。一曲を通してショパン的な憂いに満ちた曲です。 今回の演奏の始まりの鐘というイメージという意味合いで選曲しました。
②この曲はラヴェルが作曲コンクールのために書いた曲です。小説の規定数があったため、ソナチネとしては短いですがコンパクトにまとまった素晴らしい曲となっています。 一楽章は繊細な旋律の響く曲です。冒頭が難しくとても練習しました。 二楽章はまるで曇り空を歩いているかのようなメヌエットです。中間部の同じメロディを繰り返しながらだんだんと大きくなっていくところがおすすめです。 三楽章はリズミックなロンド形式の曲です。よりきれいに音の粒が出せるように練習しました。 フランスの作曲家の作品は普段僕が弾く曲とは大きく違い、ふわふわと浮くようなつかみどころ無い和声と幻想的なメロディが特徴的です。実はフランスの作品を弾くのは初めてなので、雰囲気がしっかり出るように頑張って弾きたいです。
③このクラ音では中一から長いことショパンを弾き続けてきました。その集大成として一曲はショパンを弾きたいと思ってこの曲を入れました。 選んだこの曲は、小学生の時にコンクールで弾いて以来お気に入りの一曲で、小曲でありながら多くの要素が詰まった美しい作品です。技巧的と呼ばれがちなこの曲ですが、主題の舞い上がって降りていくような旋律やくるくる回るようなアルペジオは憂を秘めた美しさがあります。特に中間部は一転して長調となりとても優しい雰囲気があります。 ラヴェルとは違う「美しい」メロディを感じてもらえればうれしいです。3曲それぞれに別の景色が、そして3曲通して一つの世界を見せられるように頑張ります。

おわりに

お楽しみいただけましたか。
これを機に、来年以降のクラ音に足を運んでいただければ幸いです。
みなさんに楽しい音楽生活があることを祈っております。